ドラゴンボールで一点だけ納得がいかない描写がある
私は暇なときはブックオフでよく立読みをする。
今は連載していない過去のマンガなどを読むためだ。
最近では世紀末リーダー伝たけしやドラゴンボールをメインで読んでいたのだが、
そこで気になるというか、納得のいかない描写があった。
それは、ドラゴンボールのセル編で修業を終えたトランクスが、
スーパーサイヤ人の向こう側に到達し、パワーアップしたシーンだ。
大きく体が膨れ上がり、パワーアップしたトランクスだが、
完全体となったセルに一蹴されてしまう。
そしてその時のセルのセリフが「デカくなればスピードが失われてしまう。攻撃が当たらなければいくらパワーがあっても脅威ではない」という旨のものだ。
別のシーンで悟空も同様の発言をしており、
「パワーがある=スピード・敏捷性に欠ける」
というイメージを多くの人に印象付けたのだった。
私はこのシーンについては鳥山先生に一言物申したい。
デカいからってノロいと思うな、と。
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◆「デカい筋肉≠スピードがない」◆
筋肉には大きく分けて速筋と遅筋に分かれる。
速筋は瞬間的に大きなパワーを発揮するため、非常に大きい。
一方、遅筋は持久力が売りで、小さな筋肉である。
そしてトランクスがパワーアップして膨れ上がった筋肉を見るに、
これらは速筋がパワーアップしたのだと考えられる。
確かに速筋が増えると、大きい筋肉がデカくなるので体重は増えるし、
筋肥大のためだけのトレーニングをすると、運動能力は落ちるだろう。
しかしトランクスは筋肥大のためではなく、セルとの戦闘のためのトレーニングをしていたはずなので、運動能力を犠牲にする筋肥大を優先していたとは考えにくい。
それにそもそも、筋肉とは体を動かすエンジンである。
エンジンの出力が大きければ最大速度は上がり、スピードは上がるはずだ。
(瞬間的なスピードが売りの短距離選手が筋骨隆々なのを思い出してほしい)
だから、この場合トランクスのスピードはむしろアップするはずだ。
よって「デカい筋肉=遅い」は違うのだ。
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ただ、私は「デカければそれでいい」といいたいわけではない。
体重が軽い方が体への負担が小さくなるので、
ケガしにくくなったり、持久力がアップするといったメリットもある。
サッカーだとサイドバックみたいに、ずっと走りまくるポジションなら、
多少瞬間的なスピードが落ちてでも、持久力を重要視するべきだと思う。
このように、それぞれのスポーツや目的に応じて
理想とする筋肉のつけ方は異なるはずだ。
画一的に「デカければいい」「デカいのはノロい」「小さいのはダサい」
と決めつけるのはやめて、それぞれの良さを認めていきたいものである。
きっと鳥山先生も、その後の悟飯を活躍させる必要があったので、
あえてこんな描写にしたのだとは思う。
とりあえず、鳥山先生には「デカい≠遅い、です」と伝えたい。
(おそらく届かないけど)
今回はここまで。
PS.ムキムキのトランクスはブロリーに似ていると思う。